こんにちは~。O型であり人一倍蚊に刺される有紗です カユカユ
いままで、漠然とした思いに、
もしもフィラリア症になってしまったら、寿命はどうなるんだろう・・・?
フィラリアに関して、都市部などでは、蚊のいない環境もあるので、本当に予防って必要なの・・・?
などの疑問がありました。今回、動物病院の日曜講座で講義を受けてきたので、発表したいと思います。
では、ドウゾ。
フィラリアにかかった犬の寿命
犬がフィラリア症に感染してまった場合、余命は、体内のフィラリアの数やフィラリアの状態(生きているか死んでいるか、年齢など)、犬の状態などによってそれぞれ違います。
末期症状でない限りは、すぐに寿命・・ということではなく、治療を進めながら様子を見ていくことになります。
なので、数カ月~5年以上ということになります。
参考までですが、フィラリアの成虫の寿命は、平均5年程度です。
フィラリアが、体内で成虫までになってしまった場合、薬で駆除すると、体内に残ってしまい、血管が詰まってしまいます。
手術によって、成虫を取り出す方法や、
薬を使わずに共生し、フィラリアの成虫の寿命がくるまで様子をみていく方法があります。
成虫が死んだ後も、どの位置にいるかによって症状が変わります。
死骸が心臓の弁に引っかかっている場合は、咳など呼吸器の障害が残る場合があります
発見が早ければ早いほど、寿命を延ばせる可能性がありますので、ワンちゃんの状態を観察して、様子がおかしければ、すぐに獣医さんに相談しましょう。
ところで、フィラリアの完治というのはあるのでしょうか?
フィラリアって治るの?
残念ながら、一度フィラリア症になってしまったら、ほぼ治ることはありません。
フィラリアの成虫を取り出すのは、「手術」になってしまい、リスクも伴うため、実施されないことが多いです。
前に挙げたように、成虫が死ぬのを待って、その後も様子を見ていくという方法になります。
完治というより寛解(全治とまでは言えないが、病状が治まっておだやかである)に近い状態になります。
フィラリア症になってしまっても、進行していなければ、急激に危険な状態になるわけではないので、あきらめずに向き合っていくことが大事です。
・・・もしかして、フィラリア?と思ったら、初期症状とは、どんなものがあるのでしょうか?
フィラリアの初期症状とは
- 咳が出る
- 呼吸困難
- 食欲不振
- 元気がない
- 尿に血が混じる
- お腹が膨らむ(お腹に水が溜まる・腹水)
症状で順位を付けるとすれば
1位 咳
2位 血尿
3位 腹水
の順で、発見されやすいというのが、獣医さんの声です。
フィラリアの症状や治療法についてくわしくは→コチラ
フィラリア予防をしていなかった場合には、このような症状が現れたら、すぐに獣医さんに診てもらいましょう。
でも、自分の身近で、フィラリアになってしまったワンちゃんのことを聞いたことが無いのですが。。。。
実際のところ、予防って必要なの?
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ノミ、ダニ、フィラリアの予防は必要なの?
ノミ、ダニ、フィラリアに予防は必要ですよ
ノミやダニは、アナフィラキシーショックにより死に至ることがありますし、
フィラリア症も戦前の日本では人間にも感染例があり死に至る病でした。
都内のある地区では、フィラリアの予防はやらなくても良いと言っている獣医さんがいるようですが、、、。
確かに都会は蚊が少ないですが、
もし、山で保護された犬がフィラリアに感染していてこのような都会の環境に連れてこられたら?
そして、蚊がこの犬を吸血し、今度はあなたのワンちゃんが吸血されたら・・・。
このようにして、蚊を媒介にして、都会にフィラリアが持ち込まれることも当然ありえます。
フィラリアの感染サイクルについて、詳しい動画は以下をご覧ください(閲覧注意です)
蚊や動物に寄生して生きながらえていくフィラリアのサイクルがわかると思います。コワー
現在、フィラリア予防薬が普及することにより、犬の寿命は以前(5~7歳)に比べて、10年延びたそうです。
そこには、ある日本人の功績があったのはご存知でしょうか?
フィラリア予防に貢献した大村智博士
それは、2015年ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智先生。
微生物の生産する有用な天然有機化合物の探索研究を45年以上行い、これまでに480種を超える新規化合物を発見し、それらにより感染症などの予防・撲滅、創薬、生命現象の解明に貢献している。
また、化合物の発見や創製、構造解析について新しい方法を提唱、実現し、基礎から応用までの幅広く新しい研究領域を世界に先駆けて開拓している。引用元: wikipediaより
寄生虫に効果のある「イベルメクチン」を開発し、様々な家畜や動物の感染症やフィラリアの予防・治療に絶大な効果を示しています。
この薬が、世間で使われ始めたのは、1987年からということで、割と最近の話だったんですね。
それ以前もフィラリア症の薬があったのですが、毎日投与が必要なものでした。
子供のころ家にいたシーズー犬も、毎日投与が必要な薬を使っていましたが、味がまずい上に副作用があり、食べるとなんとなくぐったりしてしまっていました。
フードに混ぜても、薬だけよけてしまい、いつも食べてくれないし、食べると具合が悪くなるので、最後には、やめてしまっていました。
いつも母が、「犬が薬を食べてくれない・・・」
と困っていたのを覚えてます。
現在、我が家では「カルドメックチュアブル」を食べていますが、月に一回食べれば良く、味もおやつ代わりになるので、とても楽です。
与えた後、一瞬ベロンって外に出すのですが、もう一回手の上に乗せると、だまされながら食べてくれます。
先日の、日曜講座では、ほかのタイプのフィラリア予防薬も紹介されていました。
フィラリア予防薬の種類を見てみましょう。
フィラリア予防薬の種類
正確には、予防ではなく「駆虫」ですが、以下のようなタイプがあります。
- おやつタイプ
- スポットタイプ
- 注射タイプ
1.おやつタイプ
月一回、経口投与する固形の薬。味もおやつと遜色なく、食べやすいです。
駆除効果が2~3日と短く、その都度駆虫します。
2.スポットタイプ
液体状の薬を、犬の背中に塗布し、皮膚から血液中のフィラリアを駆虫します。
1カ月間、効果が持続するので、おやつタイプよりもその点が安心。
おやつタイプを与えても、飼い主さんの知らないところで吐き出したりすることがあります。
副作用含め、おやつタイプが合わないワンちゃんには是非こちらの薬を使うのがおすすめ。
薬を直接皮膚に滴下するので、アルコールアレルギーがある場合は注意してください。
お値段が、おやつタイプより若干高いです。
3.注射タイプ
半年または1年に一回、注射をすることによって、フィラリアの駆虫ができます。
しかし、副作用が起こる頻度がほかのタイプの薬より高いため、使用していない獣医さんもいます。
投薬忘れを防止するのなら、この方法が一番確実ですね。
フィラリア予防を始めるのに注意することがあります。それは・・・
フィラリアの薬を投薬する前に大事な事
犬の場合、フィラリアに感染している状態で予防薬を投与すると、ショック症状を起こす可能性があります。
昨シーズンちゃんと投薬していたとしても、知らないところで薬を吐き出してしまっていたなど、薬の成分がきちんと吸収されていない可能性があります。
予防を始める前に必ず血液検査をしましょう。
フィラリアにかかった犬の寿命や、薬についてみてきました。
最後にまとめますと・・・
フィラリアについてのまとめ
フィラリア症になってしまった犬の寿命は、犬の症状によってそれぞれです。
重篤な症状でない場合は、すぐに寿命・・というわけではありません。
多くの場合は、手術はしないで、治療を進めていきます。
そして、その初期症状は、
- 咳
- 血尿
- 腹水
などが挙げられます。
フィラリアは、成虫になる前に駆虫すれば、100%防げます。
そのためにも、必ず予防をしましょう。
薬については・・・
現在、
- おやつタイプ
- スポットタイプ
- 注射タイプ
の3つがあります。
副作用やワンちゃんの嗜好、飼い主さんの使いやすさなどに合わせてベストなものを選んでくださいね。